スマホを捨てた日。

以前からのGoogle不信に加え、落下してひび割れた画面が、いよいよ、タッチ入力を受け入れなくなってきたので、スマホの買い替えを迫られていた。そして、6月1日。月の使用料の締め日の翌日。この期に、いっそ、ガラケに戻ろうと、そう思い立ったわけだ。

§1. 遅すぎた決断

非Androidなガラケに戻ろう。もし、あなたが、万が一、これを決意した時、どうか、メーカー公称のラインナップだけを鵜呑みにして、楽に戻れるとは、思わないでほしい。

例えば、実体験として、2016年6月1日現在、auの非Android端末は数機種ラインナップされているが、その中で、なんとか入手の叶う機種は、実は、『簡単ケータイ』こと、KYOCERA K012しかなかった。多摩地区北部の、家電量販店数店舗はもとより、西武新宿線某駅前のauショップでも、ほぼ同じ状況だった。

正確には、完全に販売終了したわけではないけども、事実上、在庫もなく、次の入荷も未定。今、ギリギリ残されている『簡単ケータイ』でさえ、その入手は、困難になりつつある。

それなら、仕方ない。せめて、カラーバリエーションだけでも、好きなものを選ぼうと、店員さんに、在庫を確認してきてもらったが、カラーバリエーション三種のうち『ピンク(桜色)しか在庫がないので、他のカラーの場合、何日かお待ちいただく』と言われてしまった。

ここで、単なる、アンチGoogle、アンチAndroid勢であれば、じゃ、じゃあ、ガラケはなしで、iPhoneに……という方向転換も可能であろうが、僕の場合、アンチGoogle以上に、アンチAppleなのだ。

(僕とApple(Mac)の出会いは別の機会に書くとして、高校生の頃にテレビCMで見た、iMacのカラフルなプラスティック筐体は、どうしても、子供のおもちゃにしか見えなかった。それ以来、『Macなんて、Apple製品なんて、いい歳した大人が使うものじゃない』という固定観念みたいなものが根付いてしまった。)

そうすると、もはや、選択肢はひとつのみ。『簡単ケータイ』、K012(ピンク)、購入しました(泣)。

もう少し早く、この決断を済ませて、実行していれば、まだ、状況はマシだったんじゃないかと、ついさっきまでは、後悔してたものの、今となっては、別に、他人に見せびらかすどころか、着信に応答するくらいの用途しかないんだし、見た目なんか、どうだって良いかと、割り切れている。

§2. 非スマホ的断捨離

僕の場合、元々のスマホの契約が、LTEなんてものが登場する少し前のもので、従量制速度規制なんてものもない一方で、月額料金は高い……というものだった。基本料が、8千円弱もしてたもんだから、これを見直したい。見直すからには、大胆に行こうと、こんなプランを考えていった。

「携帯電話では、メールも、ネットもしない。よって、通話だけのプランで十分である。」

スマホも、持ち始め3ヶ月もしないうちに、ネットもメールもしなくなっていた。その理由は、ズバリ、画面の小ささだ。

スマホより少し前に、10.1インチディスプレイの、ネットブックを買った。時々、出先に持ち歩いて、メールを見たり、暇つぶしや、地図検索に使っていたが、だんだん、使用頻度が減っていった。

それも、なんでかといえば、今、思い返せば、家のデスクトップPCの、24インチワイド液晶に慣れてしまったせいで、ことあるごとに横スクロールを強いられ、しかも、アプリケーションによっては、アプリ本体ではなく、設定ウィンドウの画面でさえ、上下にはみ出してしまう。これは使いづらい。

なので、数年前には、ネットブック用に契約したPHS回線も廃止し、本当に必要なときだけはと、スマホのテザリング機能を介して、WiMAX回線(auのスマホには、UQ-WiMAXの回線を月額+500円で使い放題できるオプションがついてる。今現在は、これにも、従量制の帯域制限とかが掛かるようだけども、僕の契約プランでは、WiMAXの無印——2+じゃない方。——を定額、無制限で使えた。)からつなぐ、ということをしていたのだが、ここ1,2年は、それすらも使用しなくなってしまったし、それでやって行けている。

だったら、もう、ネット、メールはいらないかと、通話(+SMS)のみの契約で、月額1000円に抑えることに成功。ネットやメールは家でやる。どうしてもモバイル環境が必要になったら、その時は、別途、WiMAXルータの契約なんかを考えてみよう。

ちなみに、この回線契約、月額千円と言っているが、実は、無料通話がついていないので、実際の通話料は考えないといけない。それから、基本料金のうち300円ほどは、端末の保険料(故障時などの修理代保証)なので、これを外すと、月700円弱くらいまでは圧縮できる。

§3. そして、手に入れたもの

で、ここまでやって、Google断ちをして、一体、何をしたかったんですか? と言われれば、いつか裏切られる可能性を、一つ、排除した、かな?

みんな、割と、躊躇せずに、オンラインなんちゃらとか、クラウド何某みたいなもんに、いろいろ預けちゃうけど、疑ったりはしないんだろうか。

何年か前、Googleが、規約の改定だとか言って、ユーザのデータを好きに使えるとか言い出した時に、それが、即、Googleの強奪だとまでは思わなかったけども、これがエキサイトして、本当にまずいことが起きた時、電話帳やメールまで牛耳られちゃってたら逃げらんねえよなと、不安になったのが、この脱Googleへ向かう感情のきっかけだった。

まさか、Googleに限ってとか思ってる? でも、その信頼の根拠って何?

何でもかんでも疑って掛かるわけじゃないけど、身内か他人か、そのくらいの区別は、しておいたほうが良いし、Googleは、絶対に、身内では在り得ないわけだから、もっと、ちゃんと、距離感を持って接していかないと、何かあった時に、取り返しがつかないことにならないか。

君のメールは誰に読まれてる? 君の電話帳に誰がアクセスしてる? 君が歩いたルートを保存して誰に見せてる? 君がテザリングをオンにした場所を、誰が記録して、誰が知りたがってる? 『いやいや。誰が、僕のことなんて、私のことなんて、気に掛けるものですか』。そう思ってるのは、君だけ。善意かもしれないし、悪意かもしれないけど、それを知りたがっている人がいるなら、Googleにとって、それを使わない手はないのだから。

実は、ついこの間、うちのサイトに、Googleに対して同じような不安を感じていて……という人からメールをもらった。たった一通だけども、それでも、僕も不安なんだと、声を届けてくれた人がいる。少数派であることは間違いないけど、同じようなこと考えている人、まだ、いるんじゃないのかな。

元来、何でもかんでも、一つにまとめりゃ良いってもんじゃないだろうと思っていた僕だから、考えすぎてしまっているのかもしれないと、全ては、僕一人の杞憂なんだと思っていたんだけども、もし、同じようなことを思ってるなら、今のうちかもしれないよ。

上にも書いたとおり、非Androidの携帯というのが、希少になっている。入手しやすいパーツで、コストを掛けずに製品を作れるという意味で、何処のメーカーも、Androidに、Google一社に、依存を深めていってる。

今、僕は、なんの確証もない、Googleの悪意……という妄想に基づいて話してるけど、これを受け入れがたいなら、『悪意に攻撃されたGoogle』でもいいよ。何でもかんでも、集中して、Googleに集めてしまって、彼らが、何らかの悪意に攻撃されたら、スマホを通じて、あなたのGmailアカウントひとつに紐付いた、恥ずかしいメールや行動追跡が、ネットに晒されて、笑い者にされる、みたいな別の妄想でも良い。

どちらにしても、妄想でしかないけども、絶対にない話では、決して、ない。

貸金庫を借りてる銀行に強盗が入って、貸金庫ごと強盗された……も、ない話ではないけども、ハードルは高い。

Googleのサーバが、アノ何某みたいな連中に荒らされて、データをばらまかれる……も、これまた、ハードルは高そうに見えても、実は、銀行強盗ほどには高くない。

同様に、『銀行員が自ら、不法に持ち去る』と、『Google社員が自ら不法にばらまく』も、だいたい、同様の感覚じゃないだろうか。

もう一度、言う。Googleは、所詮、他人だ。もちろん、他のオンラインサービスやクラウドサービスの運営者も同様だけども、Googleほど、何でもかんでも、紐付けて、いっぺんに持ってる他人は、他に、そうそういない。

持たせてもいいけど、持たせる大きさとか、持たせるものの性質だとか、そういうことを、『他人である』という前提で、もう少し、真剣に考えたほうが良いんじゃないかって気が、僕は、するんだけどな。